IPv6を農場の砂粒に振ったらIPが枯渇してしまったでござるの巻

IPv6導入前に知っておくべき3つのポイントと注意点 (1/3):EnterpriseZine(エンタープライズジン)

IPv6は約340潤という途方もない数のアドレスを管理する事が可能だ(図1)。潤という桁が存在する事を初めて知った人も多いだろう。兆や京も超える
遥かに桁数であり、IPv6を地球上の砂粒1つ1つにアドレスを振っても枯渇する事はないと言われている。そのためIPv6を利用する事で、アドレス枯渇
は実質無縁になると言われている。

「IPv6
でそこらへんの砂粒にIPを割り振ってもありあまるようになるので枯渇の心配がなくなる」という表現に違和感を感じない人って、SFで出てくるデータ単位
にテラバイトとか使っちゃうタイプだとおもうん。 仮想世界のオブジェクトにもIPを振るようになったら簡単に無くなりそうだし。

http://twitter.com/namaedayo/status/646929732743725057

こういう意見もありますし、これ、本当か調べてみた


IPv6アドレス - 表記方法と省略表記

まず、IPアドレスが IPv6では 128bit 使えるという話だが、これが誤りで、
IPv6のプレフィックスID(ネットワークを規定するID)とインタフェースID(ホストを規定するID)で64bitずつ使えるのである。
だから、ある人が、自分のネットワーク内で砂粒にIPアドレスを実際に振った場合、64bit の2000京個のアドレスが利用可能に過ぎない。(64bit = 2x10^19)

プレフィックスIDとインターフェイスIDは、 IPv4 の時に192.168.0.0/24 みたいにネットマスクをかけたやつ…と言えば分るだろうか? ・ω・

ちなみに、砂粒は、1/16mm以上の粒子と定義されているので、
1リットルの容器に入れると40億個。(4x10^9)
1立法メートルの容器に入れると4兆個。(4x10^12)
農場規模、5x10^6 m3(2km x 2km x 1m(深さ))の 細かい砂粒を用意すればローカルIPが枯渇してしまうことは、IPv6でもありうるのだ。

ちなみに、地球の体積は 1兆立方km(10^12)
1立方メートル に4兆個の砂粒が入るので、
1立方km には 40(4x10^21)
40溝(4x10^33) となるのでIPv6の1/1000まで迫る数にはなる

つまり、プレフィックスIDとインターフェイスIDの敷居を取っ払って 128bitにしたとしても、と木星と土星の間くらいの体積の細かい砂粒にIPv6を振れば枯渇する計算になる

|。・ω・) 。o ( 確かに、IPv4に比べて膨大な量を使えるとはいいえ、無尽蔵に使えると考えるのは危険だというお話でした )

追記:
ちなみに、通常インターフェースIDはEUI-64形式という、MACアドレスを利用して計算されるのでこれを考慮して、砂粒に、IPv6を割り当てると6 バイトしか割り当てることはできない。

48bit = 3x 10^14 なので、80立法メートル程(小学校のプールよりも少ない容積)の砂粒でMACアドレス(物理アドレス)の方が先に枯渇してしまう。

要するに、無尽蔵に自由に割り振れるようになったのではなく、物理アドレスを元にIPv6アドレスが決まるので、ユーザーは割り振りを意識する必要がなくなったというのが正しいかと

おまけ:
MACアドレスはベンダー識別ID+インターフェイスIDが3バイトずつ割ふられているため、同じメーカーの通信機器なら
3バイトしかつかえない。つまり、砂粒型のネットワーク機器をあるメーカーが作ったら、1677万7216個でMACアドレスが枯渇してしまうのだった(注射器程度の容量の細かい砂粒)

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