長尾和宏医師がイベルメクチンがインフルエンザに効くと動画配信した件、これを効くというなんてとんでもない!
あー、イベルメクチンがインフルエンザに効くとまで言い出しましたか。薬機法違反ですね https://t.co/S6sYwIVtir
— EARLのコロナツイート (@EARL_COVID19_tw) June 20, 2022
さすがに長尾和宏医師が無根拠に言うことはないと思うのでソース探してみました。
容①インフルエンザウイルス感染マウスに対する作用:マウス馴化インフルエンザウイルス A/PR/8/34 (H1N1) を下気道感染させた BALB/c マウス(8 週齢、雌性)に、イベルメクチン B1a を感染日から 5 日間連日経口投 与し、肺炎によるマウスの死亡に対する影響を 21 日間観察した(図 1)。 ② Poly(I:C) 誘発気道炎症モデルマウスに対する作用:poly(I:C) を 3 日間連日経鼻的に肺接種することによって肺炎を惹起させた BALB/c マウス(8 週齢、雌性)に、イベルメクチン B1a を 3 日間連日経口投与し、poly(I:C) の最終接種から 24 時間後に気管支肺胞洗浄液(BALF)を採取し、ELISA 法により炎症性サイトカインの濃 度を測定することによって肺炎症に対する作用を検討した(図 2)。 |
結果
①インフルエンザウイルス感染マウスに対する作用:溶媒(5% エタノール/水)を経口投与したマウスと比べて、 イベルメクチン(5 mg/kg/day)の経口投与はインフルエンザウイルス下気道感染マウスの生存率を有意に改 善した(図 3)。イベルメクチンの生存率改善作用の機序としてはウイルスの増殖の抑制もしくは/及び肺炎症 の抑制が考えられる。そこで、イベルメクチンのウイルス性肺炎症に対する作用を検討した。 ② Poly(I:C) 誘発気道炎症モデルマウスに対する作用:イベルメクチン(5 mg/kg/day)を経口投与すると、 BALF 中の炎症性サイトカインである TNF-α、IL-6 及び IFN-γの濃度は溶媒(5% エタノール/水)投与群 と比べ有意な低下が認められた(図 4)。 本研究の結果より、イベルメクチンはウイルス性肺炎を改善する作用を有する可能性が示唆された。また、イ ベルメクチンによるインフルエンザウイルス下気道感染マウスの生存率の改善に、少なくとも一部、その肺炎改 善作用が関与している可能性が推定された。 |
どういうことかって言うと、通常の用量は200μg/kg/2Wなので 用量の25倍のイベルメクチンを5日間連続で投与
累積用量で125倍のイベルメクチンを投与したマウスで生存率や治療効果が見られたという話でした。
元々、北里でもイベルメクチンを新型コロナに作用させるためには用量の60倍程度の血中濃度が必要だが、治験が無理なレベルと言ってるので当然と言えば当然です。
イタリアの治験では、累積用量30倍のイベルメクチンを投与する治験をしたところ、34%が副作用に耐えられなくて脱落、70%が視覚障害を起こしたそうなので、実用はちょっと無理ですね。
これを「イベルメクチンがインフルエンザに効く」って言っちゃうのは、どっかネジ飛んじゃってますね。
バイオ医薬品のヒト初回投与量設定の考え方
※ HED換算すると10倍超のイベルメクチンなのと、HED換算した値が必ずしも安全とは言えないという話
治療指数 - Wikipedia
※治療指数を考慮しなくてはいけない。
マウスLD 50 HED/臨床用量を検証すると数倍~数十倍投与が必要な可能性が高い
Comments