燃料アルコールの危険性とアルコールの種類とコロナウイルスの消毒について
密造酒飲み27人死亡、新型ウイルスに効くとのデマ信じ イラン 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
なんか、イランでメタノールを飲むと新型ウイルスに効くというデマが蔓延して死者が出たそうなのですが、「馬鹿じゃないのか」と思ってる日本人も多いと思いますが、どうやら日本でも、対岸の火事では済まないようです。
ドラッグストア行ったら燃料用アルコール(エタノール5%、メタノール95%)が売り切れたりしている事実。
アホか。
— なえら (@naeraera) March 4, 2020
なんか、燃料アルコールが先週あたりからあちこちで売り切れてるようなのです。
まさかの、バーベキューブーム到来?いやいや、そんなわけありません。
今日、レジに燃料用アルコールを持ってきたお客さんがいたんですよ。
「これは消毒に使えないですけど、大丈夫ですか?」って聞いたら
「え、そうなの?」って....怖いですね…
— やまち (@fukuchappy26) February 28, 2020
これは怖い。
ただ、化学系のフォロワーが「経皮毒性そんなあるか? 実験時に全国の学生がよく触ると思うが……」と言っていたので、消毒液についてそれだけで判断するのは早計かと
— YSR@大図書館全クリ勢 (@YSRKEN) February 15, 2020
こんな指摘もあるくらいです。
でも、実際どの程度のリスクがあるのでしょうか?
メタノールの表皮の透過性は、1時間あたり10.4 mg / cm2 で手のひらは 120~140cm2 くらいなので 一分間に 25mg 程度吸収されることになります。メタノールを2分間手に浸すと最大 170mg の体内負荷を生じるという報告があります。失明するメタノールの量(1200ppm)の 1/3 程度の量(365ppm)で中毒を起こす。4ml の摂取で失明を起こしたケースもあるので、4~5分ほど手を浸すと、メタノール中毒を起こすリスクがあるというレベルだと推測できます。
体内の累積負荷を研究した報告書によると、手のひらを10分間浸すと8時間の吸入暴露に匹敵するという報告もあります
1968年に48人の子供のうち30人が 経皮的メタノール中毒になったケースがあり、その時の血中メタノール濃度は 0.57~11.3 g/l。14人は昏睡に陥り、11人は発作に襲われ、7人は無尿あるいは重篤な乏尿を示し、12人が死亡したそうです。メタノールで
1992年にはメタノールを使った洗浄員が、メタノール毒性対策に防毒マスクをつけながらも防護服を着用しない状態で2~3時間掃除を行ったところ、経皮からのメタノール中毒を起こして入院しました。
特に子供の場合、致死量が大人の 1/5 程度しかありませんから、少量でもあまりよくないのは想像できますね・ω・
狭い部屋で、燃料アルコールを大量に消毒に使うと、速やかに揮発して、メタノールの蒸気が充満し、洗浄員のような中毒を起こす可能性もあります。
メチルアルコールの中毒は、通常6~30時間という潜伏期間を経て発言するので、気づいたときには手遅れ・・・・という事もあります。気を付けましょう。
メタノール | エタノール | イソプロパノール | |
エンベロープウイルス (コロナウイルス、 インフルエンザ等) |
有効 | 有効 | 有効 |
非エンベロープウイルス (アデノウイルス、 ポリオウイルスなど) |
有効 | あまり有効ではない | ほぼ効果し |
経口致死量 | 15~30mL | 250~500mL | 120~240mL |
化学的性質 | 沸点65℃ 引火点11℃ |
沸点78℃ 引火点13℃ |
沸点97.2℃ 引火点23℃ |
その他 | 経皮・吸引などで、吐き気、眩暈、失明などがある | 飲料アルコールの成分 | 脱脂作用があり、若干手が荒れる |
メタノールでは消毒できないというコメントも見られますが、コロナウイルスに対する、消毒効果については、エタノールとほぼ同じと見てよいようです。
ただ、メタノールは、沸点が低いので、エタノールよりも蒸発しやすいことが分かり、吸入による中毒につながりやすいことが分かると思います。
値段の安い、イソプロパノールは、コロナウイルスには消毒で有効。ただ、手荒れの心配があるため、利用後にはハンドクリームなどを使ったほうがよさそうです。
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