水素サプリは危険!?→デマ!でも、調べたら、まさかのDHMO案件!
最近話題になってる水素サプリの話が私の耳にも入ったので、ちょっとサイトに行ってみました
どんな話かというと、水素サプリは『水素化カルシウムが入ってるので食べたら危険』というものでした
まぁ、デマなんですが、先に結論から
1.水素化カルシウムは、ヒドリド水素(マイナスイオン水素)を持つ物質。
2.だが、「水素化カルシウム」は劇物で食べると危険なので、そんなものが入ってるわけがない。
3.炭酸カルシウムに 水素化合物(おそらく水蒸気)を閉じ込めただけのものなので、マイナスイオンを持つ水素とは無関係。つまり、 2水素化酸素を含んだ炭酸カルシウムを略して、 「水素化カルシウム」と呼んでいる
4.炭酸カルシウムは普通に食品に含まれるものなので、危険性はない。
5.おはよう水素をはじめとする水素サプリには、ヒドリド水素が持つような性質はないが カルシウム補給の健康食品としては問題ない。
水素化カルシウム 「おはよう水素」は、水素ガス気流中で食用サンゴを焼成して(特許製法)水素化合物を食用サンゴ(カルシウム)の多孔質に閉じ込めたものです。(多孔質=軽石のように無数の穴) |
まず、水素化カルシウムって言葉を使ってるけど、これが間違い。
水素カルシウムという物質は存在する
純粋な物は白色だが、通常は灰色の粉末。水と激しく反応して水素ガスを放出することから、有機合成において乾燥剤として用いられる。 |
水と反応すると激しく反応して水素を放出する。
『おはよう水素』は水素を閉じ込めたとはいっていない。
自分で『水素化合物』と言ってる。
水蒸気だって、立派な水素化合物なのだ。(二水素化酸素 DHMO)
これを、食用珊瑚の多孔質に閉じ込めても嘘にはならないのだ。
実際、水蒸気を多孔質を真空にして、水蒸気を通す技術は存在します
EQUIPMENT | Hiro Dental Clinic
CiNii 論文 - 炭酸カルシウム六水和物とその脱水物の形態制御
カプセルタイプ ピュア90 「おはよう水素」は、Pure(ピュア)のサブタイトルがついていますが、包材(カプセル)以外は、水素化カルシウム粉末100%という意味です。 |
ここで、成分が水素化カルシウム 100%だと謳っているのだけど、成分表を見てみると・・・。
熱量 0.03kcal たんぱく 0.001g 脂質 0.001g 炭水化物 0.007g ナトリウム 2.84mg マグネシウム 9.4mg カルシウム 390mg カリウム 0.197mg |
このカルシウムが全て水素化カルシウムだとすると1粒辺り、0.0039 mol の水素化カルシウムが含まれている計算になる
0.390 ÷ 40 x 0.4
12. 水溶液中のイオンの熱力学量と水素イオン規約
化学便覧 標準生成エンタルピー
標準生成エンタルピーを用いると反応熱や中和熱や溶解熱を求めることができます。
CaH2: -186.2 H2O(g): -241.826 H2O(l): -285.83 CaOH2:-986.09 CaO: -635.09 H2: 0 H+(g):1636.202 OH-(g):-230.01 Ca2+(g):1925.9 Ca2+(a1):-543.0 Ca(g):+178.2 |
例:カルシウムが水に反応した時の熱量
2Ca + 2H2O(l)->2Ca(OH)2+H2↑
(-986*2-0)-(178.2 +2*-285.83)=-593.43kj/mol
例:水素化カルシウムが水に反応した時の熱量
CaH2+2H2O(l)->Ca(OH)2+H2↑
(-986.09+0)-(-186.2 - 285.83*2)=-228.23kJ/mol
例:生石灰が水に反応した時の熱量
CaO(s)+H2O(l)->Ca(OH)2
(-986.09)-(-635.09 -- 285.83)= -65.17 kJ/mol
例:消石灰を水に溶かした時の熱量
Ca(OH)2->Ca2+(aq) + 2OH-(aq)
(-543.0-230.01*2)-(-986.09) = -16.73KJ/Mol (16.93)
中和熱は値が見つからなかったので、そのまま資料から値を持ってきた。
2HCl(aq)+Ca(OH)2(s)->CaCl2(aq)+2H2O
- 56.5kJ
胃液との反応熱を求めてみると
(228.2+16.7+56.5)/4.2=17.4kcal/mol
17400x0.0039=67.86 cal
1錠辺りの反応熱量が求まりました。
1リットルに溶かすなら大したことありませんが、胃の粘膜上で反応したら薬傷を十分に起こす熱量です。
空腹時の胃の大きさは50ccといわれているのですが、その中に胃液が一杯入ってるわけではないので、37度の胃液が数度上昇するとやけどしてしまいます。
胃液は1回で1リットル前後出るといわれていますが、
0.0039 mol の水素化カルシウムを1リットルの水に溶かすと
14- log (0.0039x2) =11.9
pH 12近くの強アルカリになります。
空腹時の胃酸はpH1~1.5ですが満腹時は 5前後なので、こんなもの飲んだら死んでしまいますねw
結論:
入ってるのは水素化カルシウムではない
じゃあ何かって言うと、
ただの 炭酸カルシウム水和物
炭酸カルシウムは胃で溶けるわけですから、仮に水素が閉じ込められていても、すぐに放出されてしまいます。
胃で溶けると、二酸化炭素が発生します。
そもそも、、炭酸カルシウムも水素化カルシウムも水に溶かしてもにおいはしません。じゃあ、何の胃甥かって言うと、多孔質でにおいを吸着しやすい性質を持っているので、そのため水に溶かすと、多孔質に閉じ込められていた気体が放出されてにおいがするわけですね ・ω・
ORPが下がったのはマイナス水素が発生しているからという説明がありますが、
炭酸カルシウムを水に溶かすと pH が上がりますから、当然ORP(酸化還元電位)も下がります。
この分を差し引かないと嘘になります。
水素化カルシウムの場合、 カルシウムの方が電気陰性度が低いために、水素の酸化数は -1になります。
まぁ、ご存知の通り、H-を持っていますが劇物なので、すぐ反応してなくなってしまい、安定して取り出すことはできないのですよね。
マイナスの電荷をもつ水素が結合してる化合物の名前だけ借用しただけの健康食品商法ですね。
まぁ、害はないんでしょうが1万円以上でこんなものを売りつけるのはどうかと思います。
まさに「物は言いよう例えよう」ですね。
ちょっと気になって昔服用していた、
ワダカルシウムの成分表には、
「リン酸水素カルシウム水和物」
「クエン酸カルシウム」
「乳酸カルシウム水和物」
て、明記されてました。
ワダカルシューム錠
ttp://www.wadacal.co.jp/product/medical/wadacal_j.html