国内で報道の『北朝鮮の独自OSが10年前の技術』についての詳細

北朝鮮が独自の国産OS「Red Star」を開発、技術的には「10年遅れ」
の様なニュースが流れているので、『Windows 2000と同じ技術を使っている』と勘違い(?)してるような日記やTwitter を大量に見かけます。

そこで、何が10年前の技術なのか調べて見ました。


北朝鮮 プルグンビョル『붉은별/赤い星/Red Star』ペンティアム4向けのLinuxプログラム(原文)

北朝鮮のコンピュータオペレーティングシステム(OS)『赤い星』は、2000年代初中盤にリリースされたPentium 4のコンピュータに最適化されたLinuxのプログラムであることが確認された。特に、ソフトウェアが殆どで公開されており、北朝鮮に必要なアプリケーションのみを独自に開発して統合し、開発コストを大幅に削減していることが分かった。

4 月1日、韓国の電子新聞(ETNEWS)が科学技術政策研究院(STEPI)と共同で、『赤い星 Version 2.0』を入手し分析した結果、マイクロソフト(MS)のウィンドウズのようなグラフィカルな環境を提供するLinuxのプログラム、主に『KDE(K Desktop Environment)』を使用して、公開ソフトウェアを殆ど開発したことが分かった。ハングルのサポートプログラム、MS Windowsのサポート環境プログラムなど、いくつかのアプリケーションを独自開発し、統合することで、北朝鮮独自のOSが統合された。誰でも無料で利 用できるLinuxの長所を生かして、北朝鮮に必要な機能だけを追加し、開発コストを最小限にした訳だ。

デスクトップ環境は、2006年 に出たKDE3の系列を使用、各プログラムは、 CPU 386プラットフォームを使用し、Pentium 4のレベルの低スペックのPCでも駆動できるようにされている。北朝鮮で使用されているほとんどのPCがPentium 4の水準であることが考慮をされたものと分析された。

スペックは低いが、セキュリティを強化するため、高セキュリティの 『SELinux(Security Enhanced Linux)』を使用して、独自に開発した『ウイルス対策ソフト』も搭載している。SELinuxは、ユーザーの実行権を制限することができる。セキュリ ティ対策ソフトは41万6439個のウイルスに対応している。

『赤い星』は、デスクトップの右下のカレンダーが主体暦99年(金日成の誕生年を元年とする暦で、西暦2010年のこと)である以外には特別な政治的な内容がないのも特徴である。

キムジョンソン 科学技術政策研究(STEPI)院長は『今回の分析したプログラムは、最近のロシア人留学生のブログに画像が公開されて話題になったVersion2.0 で、以前のバージョン1.1よりプログラムが倍近く増えるなど、継続的なセキュリティ更新プログラムが継続されている』と分析した。彼はまた『まだ少ないのアプリケーションの数を考慮すると、北朝鮮内での普及は容易ではない』『北朝鮮の実情に応じたセキュリティの強化に焦点を当てる、自分たちの情報セキュリティを制御しようとする意図がうかがえる』と述べた。
『赤い星 Version 2.0』は先月、金日成総合大学に通うロシア人留学生が、自分のブログにWindows環境がサポートされたプログラムの映像を公開して非常に関心を集めた。

こちらの文書を見ると、赤い星 2.0を入手したとありますが、後の文書を見ると、2.0はロシアの留学生のスクリーンショットの話で、実際に分析したのは1.1であることが分かります。

北朝鮮のコンピュータのOSの最初の分析

北朝鮮が独自開発したコンピュータのオペレーティングプログラム『プルグンビョル』の初めての解析が記載されて関心を集めている。

科学技術政策研究院(STEPI) 院長ギムソクジュンは5日、【北朝鮮のコンピュータのOS『プルグンビョル』の分析と考察点】いうタイトルの報告書で、『今までの常務だった北朝鮮のコンピュータのOSの分析が必要であり、北朝鮮のソフトウェアのレベルでは、国際的孤立による克服の努力と言う点で重要な意味を持つ"と明らかにした。

『プルグンビョル』は、最近のロシア人留学生のブログで、その姿が公開されただけで、現在までに分析された事例がなく、STEPIは、2008年4月時点の『ブルウンビョル Version 1.1』を分析対象とした

STEPIのオンライン政策資料集に掲載されたこの報告書は、『【プルグンビョル】は、朝鮮コンピューターセンター(KCC)を中心として多くの機関が共同で開発した成果で、北朝鮮で独自に開発したことを強調している』と伝えた。

報告書では、『コンピュータ分野で、北朝鮮は国際的孤立とセキュリティの問題が原因で、ソフトウェア不足などの問題を経験している』、『北朝鮮はこれを克服するために、独自のソフトウェア開発に取り組んでおり、最近、独自の安定したコンピュータOS【ブルウンビョル】を開発し、商用として販売している』と述べた。

まず、【ブルウンビョル】のソフトウェアとしての特徴をみると、オープンLinuxを使用して北朝鮮地域に合わせてローカライズされたプログラムで、セキュリティを強化した2000年代初頭のレベルの水準であると分析される。

また、コンピュータのオペレーティングシステムでは、政治的な内容はほとんどなく、継続的な更新作業が進められていることが分かった。

したがって、【ブルウンビョル】は、北朝鮮の内部では、自分たちの情報セキュリティを制御することができるコンピュータのオペレーティングシステムを構築したことに意義があり、北朝鮮はLinuxのプログラム開発能力の確保を使用して、その協力の範囲を、さまざまな市場に拡大していると報告書は、分析している。

しかし、相対的にアプリケーションの提供数が少ないため、北朝鮮地域での普及は容易ではないと予想している。

また、中国にある北朝鮮の開発メーカーとの協力、および関連する教育プログラムなどを通じ、南北の科学技術協力の範囲の拡大につながる可能性はあることを示唆している。

報告書は、『近年、市場が拡大しているLinuxの組込みソフトウェアなどで、韓国への投資と、北朝鮮のソフトウェア開発の連携が可能になる』とし、『協力は、主に中国に記載されている北朝鮮の開発者と可能と見られ、その他の関連団体を活用する方法も検討して見ることができる』と付け加えた。

この報告書は、STEPIホームページからダウンロードすることができる。

これを見ると、

報告書の中を見るとインストールプログラムの特徴が書かれています。

OSの構成は3つのソフトから
・ Red STAR:OSインストールプログラム
・ Application:コンピュータ関連のアプリケーシ
ョン(Officeソフトウェア、ウィルス対策ソフト、ファイル転送ソフトGFTP、 Windows環境のサポートソフト)
・ Typing: 入力と関連した、セキュリティプログラムが2つ。

インストール環境のPCについて
rs1
・ プログラムはPentium 4を対象に最適化されており、Pentium 3で動作が遅い。
・ 最小構成:Pentium3以上、メモリ128MB以上、ハードディスク2.5Gb以上。
・ インストールはWindows 98のDOSモードで可能。

インストールされているOfficeソフトについて
rs2
・デフォルトはOpenOffice。
・”우리 ver 2.1”と言う独自ソフトが使える。
Dubeolshik (두벌식)での入力。
・一般的な北朝鮮のワードソフトと違い、Ctrl + Iで金日成主席を、Ctrl + J で金正日委員長が変換できる 機能が無い。
・パワーポイントのようなソフトが入っているが、全体的に低レベルでサポートプログラムが必要。
・表計算ソフトはMS Excel とほぼ同じ機能を提供。
rs5
・データベースソフトはMS Accessの様な操作性で、OpenOfficeを基に作られていて殆ど違いが無い。

セキュリティについて
rs4
・Security Enhanced Linuxをベースにしている。
・セキュリティポリシーの基本設定ができていない。
・416,439個のウイルスを治すことができるが、対策プログラムのレベルは低い。(2010年3月19日現在のウィルス対策ソフトで治すことができる悪意のあるコードの数が215,030件、ウイルスの数が5,473,924であることからウイルス対策のレベルは相対的に低いと判断された)

ブラウザ Naenara について
rs6
・Firefoxベース。
・国家情報センターや中央科学技術助言社などにIPアドレスで直接接続できるようにしている。

Windows環境のサポートプログラム
rs3
・MS Windowsのソフトを『赤い星』で使えるようにするサポートソフト。
・サポートされるWindowsのシステムは、Windows 98、Windows 2000。
・2008年に基本的にサポートされているプログラムは、Adobe Reader 5/6、Illustrator 9/Photoshop 7、Macromedia Flash MX、WinRAR、UltraISO を含む9つしかない。(v2.0では20近くに増えている)
・他のMS Windowsのプログラムのインストールは、他のアプリケーションを通して行う。

その他

・言語入力は、北朝鮮のDubeolshik (두벌식)で、キーボードの配置が異なる。
・画面の背景の映像に、北朝鮮の宣伝の絵や風景などが少数存在、
・インストールガイドのファイルはに金正日総書記のフレーズがある。
・多言語のサポート、USBなどの自動認識機能。
コンピュータの動作のプログラムが、ハードウェアと連動して開発されることを考慮すると、Pentium 4が使用されていた2000年代のソフトウェアレベルと推測される。
・外部のインターネット接続環境がないので、Linuxのオープンソースの利点を活かし、様々なプログラムを使用することができない。

・つまり、実際に解析したのは2年前のversion 1.1であること。
・動作環境を、Pentium 4推奨(最小環境 Pentium 3)としているハードウェア的な観点から、10年前のレベルと判断しているに過ぎない。
・OS自体はWindows 98と2000のエミュレーションソフトを提供しているらしいが、v1.1 でサポートしているソフトが 2000年頃のものである(特にAdobe 製品やFirefox)。
ここまで書いてるニュースサイトってないので、勘違いしそうですね。
しかし、一番たまげたのが、Windows 98のDOSモードからのインストールサポートってことでしょうか|;・ω・)

関連記事:
北朝鮮が独自の国産OS「Red Star」を開発、技術的には「10年遅れ」 - GIGAZINE
北朝鮮の独自OS「Red Star」 - スラッシュドット・ジャパン
Говорит и показывает Пхеньян - OS "Red Star" - линуксоиды всех стран, соединяйтесь!
赤い星駅 - Wikipedia

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1件の返信

  1. W2k Fan より:

    花と「ウリ」のデスクトップ画面が
    何とも・・ですね^^

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