色々なサイトが海外のATMの95%がXPという提灯記事に釣られてる件

ソース元は Nick Summers 氏が書いた記事

ATMs Face Deadline to Upgrade From Windows XP – Businessweek

『Microsoft が Windows XPのサポートを切れば、ATMはセキュリティアップデートを受けられなくなる』って書いてあって、なんの冗談かと思いました･ω･ (笑)

Nick Summers | LinkedIn
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ATMなどで使われる、機能縮小された XPとして知られている ウィルスの影響を受けにくいWindows XP Embeddedは 2016年頭までサポートされる。

File Based Write Filter 機能や USB 2.0 デバイスからの起動などの組み込み向けの機能も追加されていて、機能縮小って表現はなんかふさわしくないような気がするんですが ･ω･；

よく分かってない人が書いてるんじゃないの？

米MicrosoftがWindows XP EmbeddedのSP1をリリース，20を越える言語と.NET Frameworkをサポート：ITpro
この記事を見るとXP Embedded SP1だけでもかなりの追加機能があることが分かります
その後リリースされたのが、Windows XP Embedded SP2 Feature Pack 2007（FP2007）
特集　Windows Embedded最新動向：Windows Embedded Standard 2009の新機能 (1/2) – MONOist（モノイスト）
そして、最新版の Windows Embedded Standard 2009 （XPSP3）

ATMなどは専用回線で、システム書き換えに特殊なコマンドを要する Windows Embedded を使用しているため、ある程度のアップデートは最初から組み込まれてシステムがつくられて出荷されますが、その後組み込みシステムで セキュリティアップデートが適用されるなどという事はありえないのですが･･･。

たしかに、Embedded 向けにも Windows Update や Hotfix は提供されていて、一部の組み込みシステムでは、致命的な不具合があった場合は、Update を適用しますが、ATMを わざわざ他のシステムに繋いだりWSUS使ったりして、 ライトプロテクトをはずした上で、 Windows Update をするなんて事はありえません。

たまに、システムが起動しなくなったりする不具合があるのに、適用して、全世界のATMが動かなくなった！
なんて笑えませんよね ･ω･

Windows XP SP2 ベースの Windows XP Embedded のサポートが 2016年とここでは書かれていますが、そうではなく、 Windows XP Embedded の出荷＆ライセンス発行が 2016年までなので、既存のシステムのまま量産できることを意味しています。

さらに、2009年にリリースされた Windows Embedded Standard 2009 は XP SP3 ベースでありながら、2019年までの延長サポート（セキュリティアップデートなどを含む） があり、 2024年までの出荷＆ライセンス発行がされます。

システムのリプレイスが不要であれば、10年間（セキュリティ的なことを鑑みても5年間）は心配する必要は無いのですが、これには全く触れていない辺り、この記事は ATM のソフトウェアプロバイダを持ち上げた提灯記事なんじゃないかと思っています ･ω･

関連サイト
Windows XPを使ったATMが95％も存在し、更新が間に合わないおそれ – GIGAZINE
世界のATM端末、95%がWindows XPを使用 | スラッシュドット・ジャパン IT
実はまだまだ終わらない Windows XP のサポート