Dependency Walker の使い方と日本語化

Dependency Walker の使い方が良く分からないので詳しく知りたいという要望があったので簡単に説明します。

まず、Dependency Walker自体はVisualStudioに入ってるのですが、最新版のv 2.2.6000を入手しましょう。

ちなみにこのまま使うと、英語版で、全角のフォルダ名があったときに読めないのです。「デスクトップ」が「デベハトップ」になります(^^;

単に、フォルダの読み書きだけしたいのならば、0x536fd にある、0580c120を0580c100に書き換えれば全角フォルダも行けるようになります。(何をしてるかというと、文字コードが 0x31～0x5aの範囲内にある場合 0x20でOrを取ってアルファベットを小文字にしています。つまり、全角文字の2バイト目がこれに該当すると化けてしまうわけです)

ちなみに、日本語化＋上の修正をやってくれる便利なソフトがあります。
DependencyWalker 日本語化＋α プロジェクト

DependencyWalkerの実行ファイルがある場所にファイルを置いて実行すればいいだけです。

では、日本語化したこのソフトで実際にどう使えばいいかを検証してみましょう。

foobar2000の9.6 Beta5を実験に使います。

まず、左下のモジュールに注目してください。
砂時計がついてるのは、後からロードされるライブラリで、必ず使うとは限らないものです。（？）が突いてるのは、ファイル自体がパスに通っていないものや、存在しないものに付くマーク、赤いアイコンになってるのは実装されていない関数があるものです。
つまり、砂時計がついてないファイルに（？）や赤いアイコンがあるとそのままでは動作しないということを意味します。

ちなみに、APPHELP.DLLとMPR.DLLはWindowsXPで、SideBySideテクノロジー(色々なアプリごとにDLLのバージョンを使い分ける機能)で使うだけなのでよく（？）が出ていますが気にしなくても大丈夫です。

赤色になっているアイコンをクリックすると、実際に欠落している関数が何なのかがわかります。
この場合はShell32.dllに SHOpenFolderAndSelectItemという関数が足りないということが分かります。
中には関数名が無くて、序数しか書いていないものもありますが、これは非公開の関数で、上位のOSやサービスパックには名前がついていたりすることも少なくありません。

KDWで、動かないソフトがあったときには、ファイル名とこの関数名を報告してもらえばよいわけです。

では、KDWでshell32.dllと簡易インストールして、F5で更新してみます。

この通り、砂時計の無いアイコンのエラーはなくなりました。
ひねくれたプログラムでなければ、これで動作するわけです。

ドライバｰ（SYSのつくファイル）の場合はちょっと特殊で、ファイルが \system32\Drivers にあるのに、このように（？）が出てきます。
これは、Dependency Walkerが Driversフォルダをデフォルトで検索対象にしていないからです。

これは、オプション＞モジュールの検索順序（Option>Configure Module Search Order)で設定します。

検索で Driversを選択した後左のディレクトリ追加を選んで少し順序を上げてやります。

このドライバは問題ないことが分かります。

XPのドライバは、SYSファイルをこのようにDependency Walkerで チェックして、問題がなければ、ほとんどはINFファイルの書き換えだけで動作するようです。

最後にちょっと便利なTipsです。

・名前を付けて保存 … どの関数が足りないかなどの情報を、直接実行ファイルを送らなくても伝えることが出来ます。
・表示＞ファイル名をフルパスで表示（View>FullPaths）
…ファイル名がフルパス表示になるので、どこにあるファイルを呼んでいるのかが分かりやすくなります。
・F5　… 簡単に更新できます。
・Ctrl+C ファイル名のフルパスがコピーできます。
・プロファイラ … ファイル実行時のエラーをトレースできます(日本語版専用・上級者用)。

Dependency Walker の使い方 その２