【ハイドロ銀チタン】花粉を水に変えるマスク=約1週間太陽下に晒しておくことで本当に水に分解できることが判明!【すごい!?】
つけるだけで運動能力が上がる?魔法のネックレス「ファイテン」の効果検証
コラボレーション|ファイテン株式会社-phiten-
少し前に、つけるだけで運動能力が向上する魔法のネックレスやテープ、シールなどを販売している会社が話題になりました。
原理としては、磁気によるリラックス効果や、リストバンドやテーピング等による運動能力向上を商品にしたようなものなので、魔法でもなんでもないのですが
金属をナノレベルで水の中に分散させるファイテンの特許技術「水溶化メタル技術」が凄いのだと言う主張をしていました。
洋服のはるやまが少し前にコラボしてたのがファイテンだったのですが今度は、
DR.C医薬とコラボしたからさあ大変
業界初!※1 “花粉を水に変えるスーツ”が新登場!! 服に付着する花粉の悩みを「ハイドロ銀チタンR」で軽減 『ハイドロ銀チタンR スーツ』発売 |株式会社はるやまホールディングスのプレスリリース
ハイドロ銀チタンRとは | DR.C医薬株式会社(公式サイト)
医師の新しい発想で生まれたハイドロ銀チタンR(Hyd[AgTiO2])は、タンパク質を分解する新素材です。花粉・ハウスダスト・カビ等のタンパク質や、汗・ニオイ・不衛生タンパク質を分解して水に変える、DR.C医薬独自のクリーン技術です。 |
これを見ると、ハイドロ銀チタンはアナターゼ型酸化チタンノイッシュだというのがわかります
アナターゼ二酸化チタンの電子状態
酸化チタンは結晶構造の違いから、アナターゼ型(正方晶)、ルチル型(正方晶)、ブルッカイト型(斜方晶)に分類されます。
光触媒としては、アナターゼ型がルチル型に比べて10倍程高い活性を示すことが知られています
酸化チタン表面の光誘起親水化反応
アナターゼ型の酸化チタンが 紫外線より短波長の光を吸収すると価電子帯の電子が励起されて、自由電子と酸化力の非常に強い正孔を生成します。
通常は、自由電子と正孔があると直ちに反応して熱エネルギーになるのですが、酸化チタンの場合、紫外線照射により酸化チタン表面が比較的長い寿命を持つエネルギー準位の高い、準安定状態に変化することがわかっています。
要するに、紫外線を当てた、アナターゼ二酸化チタンのタオルなどに含まれる、自由電子と酸化力の非常に強い正孔が汗と反応すると、酸化力によって分解されるわけですね ・ω・
さて、銀チタン(AgTiO) などという大層な名前がついていますが、そういう化合物はありません。
銀と酸化チタンが混ざっている理由として、酸化チタンだけでは、387 nm(紫外線)より短波長の光を当てないと殺菌力が発揮されないため、光が少ない場所でも効果が得られるように抗菌剤として銀などが使用されるわけです。
(ブルッカイト型とアナターゼ型の場合 387nm、ルチル型の場合 413nm以下)
銀イオンの殺菌システム - 日本イオン 株式会社
銀イオンの殺菌のメカニズムについては正直正確なことは現在もわかっていないようです。
一説には、光化学反応が関与しているという説もありますが、関係ないという話もあります
さて、ハイドロ銀チタンについての私の所感ですが、『アナターゼ型酸化チタン と銀イオン を含んだ繊維』。
次に、宣伝である、花粉(など)を水に変えるについて。
たんぱく質が体内で酸化分解されたものは最終的に炭酸ガス、水、尿素などになるのはよく知られています。
通常の酸化によって、たんぱく質は、カルボニル化、チロシン残基のニトロ化、システイン残基の酸化、メチオニン残基の酸化などによって変性して、効果を失いますが直ちに分解されてしまうわけではありません。
一般的に触媒してはアナターゼ型酸化チンが多く使用されるため,光触媒反応を起こすには太陽光を考慮すると,太陽光に 3 %~4 含まれる紫外線(波長 10~380 nm )を当てること が必要になる. 酸化チタンはバンドギャップ以上のエネルギーを持つ光を与えると電子正孔が生成し,水や酸素などと反応して OH ラジカルやO2-などの高反応性かつエネルギーを有する活性酸素を生成. 例えば OH ラジカルは 120 kcal/mol相当の非常に大きなエネルギーを持っている. こ れは,有機化合物中の C-C(83 kcal /mol),C-H(89 kcal /mol),H-O(111 kcal/mol)O(111 kcal/mol)O(111 kcal/mol)結合などのエネルギーよりはるかに大きいため,これらを簡単に切断する ことができ有機化合物を二酸炭素や水に分解できる. |
酸化チタンによる花粉変性試験の結果を見ると
酸化チタンによる、強力な酸化作用による分解に晒された花粉の分解はこの程度。
まず、花粉の殻を破壊してから、中の花粉を不活性にする必要があるわけで、付着した花粉を直ちに分解する能力はありません。
以上から、これらの有効性について考察します
マスク | タオル | スーツ | |
ハウスダスト | 無意味(家の中では銀の抗菌力のみ) | 家の中では銀の抗菌力のみ | 家の中では銀の抗菌力のみ |
汗 | 屋内では無意味 | 屋外で使うスポーツタオルなら効果あり? | 通勤で外出するので多少効果は期待できる |
花粉 | 無意味 | 外で干したタオルを取り込んだ後、分解してくれるという意味では多少効果はあるかも? | ほぼ無意味 |
におい | 無意味(マスクがにおいの発生源になるような使い方自体ない) | 屋外で使うスポーツタオルなら効果あり | 銀の抗菌力によって抑制はできる |
カビ | 無意味(マスクは基本使い捨て) | カビが繁殖するような条件では銀の抗菌力のみ | 銀の抗菌力によって抑制はできる |
結論: スポーツタオルや、外出の多いスーツには多少付加価値があるかも知れない。
それ以外では銀の抗菌力以外はほとんど期待できない。
花粉に効果があるマスクというのはナンセンスで詐欺レベル。
× 花粉を水に変えるマスク
o 付着した花粉を約1週間太陽に晒しておくことで、水に分解できるマスク
馬鹿なの?買うの?・ω・
記事にも出て来る東大がすでに同じような商品に関わって出してるみたいなんですが
こっちも同じく効果ないものなんでしょうか?
https://www.tamagawa-eizai.co.jp/product/mask/kyuutyaku_superfit/
というか今広告してるマスクってこれを真似して誇大広告してるだけですよね
光触媒が花粉を瞬時に分解できたら、マスクも一緒に分解されてしまう、とこの手の商品説明で考えてしまう方がバカなのだろうか?
効果がどれくらいあるかは書いてませんから、まぁ、嘘ではないんですよね
でも、吸着した花粉を完全に分解するには時間がかかるので、あんまりそれ自体に
意味がないということになるわけです。
ただし、ウィルスに関しては、直ちに破壊できると思うので意義があります。
マスクは繊維なので、分解されるなんて考えにはならないと思います。
ただ、このマスクをすると、ただちにたんぱく質が分解されるなら、
皮膚がただれたりすることになりますね・ω・ (わーすごい)
実際は分解速度が遅いため、皮膚の寿命で剥がれ落ちそうな部分がダメージを受ける程度なのでそういうことにはなりません。