鉛筆の値段を求める時の掛け算の順番の話が気になった猫

あんまりコンピュータとは関係ないのですが

今日の朝のツイッターで

先日新中学1年生を教えたが、全員がかけ算の順序にこだわっていた。数学はそんな決まりはないので今日で忘れていいよ、と言った。やばいくらい小学校の先生のレベルが低い。

04/02 20:56:58

1本50円の鉛筆を6本買ったらいくら?これを6×50と立式したら1本6円の鉛筆を50本買ったことになる、と先生が主張しているらしい。バカだね。

04/02 21:11:14

というRTが中学数学教師らしい人が発言したツイッターで流れてきたので、気になりましたにゃ ・ω・


一言いうと、この発言してる人自体も順番に縛られてるのだと思います

ここから理屈
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ここでは、順番に意味があるのではなく、「x」 (かける、クロス) に個数とか倍率の意味があるのであって。
いくつかの法則に沿ってこの順番が決まってるだけなのである。

ax6 を 6a と書くのだって 数式の略表記の法則にしたがってるのである。

6xa とかいてもいいじゃないかということにはならなくて、やはり ax6 と書くのがスタンダードなのだ。

一方でこういう話もある
「縦×横=横×縦」と明記しても「底辺×高さ=高さ×底辺」と明記しない理由|メタメタの日

平成13年の教育課程審議会の議事録によると,京都大学(当時)の上野健爾先生の発言中に(下から4段落目から)長方形の面積を「横×縦」でバツにされた話が出てくる

日本では縦x横x高さ と習うが 英語圏ではWHDという略語がある通り、Width x Height x Depthなのである。
The Young Person's Guide to Programming in Minecraft

分かりやすい絵があったので、引っ張ってきたけれど 「横x高さx幅」と順番が決まってるのである
日本でも一応「縦×横×奥行」が暗黙になっている

ところが、日本では数年前から、ゆとり教育の一環で、一部単位が同じ場合順番はどちらでもいいということになり、そういう風潮が広まってしまったのが、こんな議論する原因になったんじゃないかなと思ってる

この場合は、単位がすべて同じなので、順番にそれほどこだわらなくてもいいのだが、
「時間x速さ=距離」 とか「値段x個数=合計価格」 のような場合 にも順番は気にしなくてもいいというのは拡大解釈しすぎだと思う。

---------

同人のカップリングにも(攻め×受け)という順番のお約束があるのだから、×(かける)の順番に意味なんてないのだからどうでもいいなんて言うと殺されかねないです(笑)

カップリング/ カプ/ CP/ 同人用語の基礎知識

まとめ
・「x」を使う場合は、倍率や個数を後ろにつける。
・数式を書く場合は数式のルールに従う
・単位が同じ場合は、掛け算の順番は(ゆとり教育で)あまりこだわらなくてもよくなったらしい(が、暗黙のきまり、もある)
・一つの法則をなんでも当てはめるのではなく、適用するときにも法則があるのでそれを理解した上で使うのが勉強や理解を深める上で大切なこと。
・模範解答と違っていたら、バカだな&(決まりなんてない or そう決まっている)で終わらせるのではなく、そうなる理屈を一緒に考えてみると、もう一段階深い理解に生徒もたどり着けると思う

・ω・もふりもふり



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10件のフィードバック

  1. 積分定数 より:

    初めまして。「かけ算の順序」について研究している積分定数と申します。
    >日本でも一応「縦×横×奥行」が暗黙になっている
    ところが、日本では数年前から、ゆとり教育の一環で、一部単位が同じ場合順番はどちらでもいいということになり、そういう風潮が広まってしまったのが、こんな議論する原因になったんじゃないかなと思ってる
     全く違うと思います。順序なんかどうでもいいという指導が昔からなされていました。順序に拘る指導もありました。最近になって順序に拘る指導が増えてきているようです。
     長方形の面積や直方体の体積の公式は単なる語呂だと思います。慣習があったとしても、体積を求める際に順序など関係ありません。
     公式と順序が違うからバツなどというのは馬鹿げています。実際にそういう教師がいるので呆れるのですが。
    http://suugaku.at.webry.info/201102/article_7.html
     かけ算導入段階では(1つ分の数)×(いくつ分の数)で導入するのですが、
    ■これを絶対的なルールだと勘違いする人がいる。
    ■(1つ分)と(いくつ分)は視点の違いで逆転する、つまりは区別不可能、(1つ分)と(いくつ分)はかけ算導入時の便宜的なものに過ぎない。
     このことを理解していない人がいる。
    これが混乱の原因だと考えています。
     

  2. 積分定数 より:

    初めまして。「かけ算の順序」について研究している積分定数と申します。
    >日本でも一応「縦×横×奥行」が暗黙になっている
    ところが、日本では数年前から、ゆとり教育の一環で、一部単位が同じ場合順番はどちらでもいいということになり、そういう風潮が広まってしまったのが、こんな議論する原因になったんじゃないかなと思ってる
     全く違うと思います。順序なんかどうでもいいという指導が昔からなされていました。順序に拘る指導もありました。最近になって順序に拘る指導が増えてきているようです。
     長方形の面積や直方体の体積の公式は単なる語呂だと思います。慣習があったとしても、体積を求める際に順序など関係ありません。
     公式と順序が違うからバツなどというのは馬鹿げています。実際にそういう教師がいるので呆れるのですが。
    http://suugaku.at.webry.info/201102/article_7.html
     かけ算導入段階では(1つ分の数)×(いくつ分の数)で導入するのですが、
    ■これを絶対的なルールだと勘違いする人がいる。
    ■(1つ分)と(いくつ分)は視点の違いで逆転する、つまりは区別不可能、(1つ分)と(いくつ分)はかけ算導入時の便宜的なものに過ぎない。
     このことを理解していない人がいる。
    これが混乱の原因だと考えています。
     

  3. 黒翼猫 より:

    コメントありがとうございます
    > 全く違うと思います。順序なんかどうでもいいという指導が昔からなされていました
    うーん、ゆとり教育で、外されて、また復活してきたという訳じゃないんですかね?
    > 公式と順序が違うからバツなどというのは馬鹿げています。実
    これに限らず、公式と違ってるから ×にする って教師は居るみたいですね。
    教師自体に判断する能力が欠如しているようなケースも見受けられますね。
    でも、順序が違うから×にするってのは、漢字テストで書き順がちがうから
    ×にされる文化ってのに通じるところがあるなぁと思いました ・ω・

  4. 黒翼猫 より:

    コメントありがとうございます
    > 全く違うと思います。順序なんかどうでもいいという指導が昔からなされていました
    うーん、ゆとり教育で、外されて、また復活してきたという訳じゃないんですかね?
    > 公式と順序が違うからバツなどというのは馬鹿げています。実
    これに限らず、公式と違ってるから ×にする って教師は居るみたいですね。
    教師自体に判断する能力が欠如しているようなケースも見受けられますね。
    でも、順序が違うから×にするってのは、漢字テストで書き順がちがうから
    ×にされる文化ってのに通じるところがあるなぁと思いました ・ω・

  5. 積分定数 より:

    ゆとり教育は関係ないと思います。「順序」を教える教師は、
    ■本当に正しい順序があると思っている
    ■順序を指導することが教え方として優れている
    ■よく分からないが、そう教えることになっているから
    これらのいずれか、または、複数の理由からです。
    ゆとり教育というのは、教える内容の多寡の話だし、それは文科省の指導要領によって定められます。
    順序は教える内容ではなくて教え方の話です。
    文科省は順序を指導しろとも、順序でバツを付けてはいけないとも言っていません。
    90年前後に出てきて、「新学力観」と関連があるのではと推測しています。「新学力観」そのものが原因と言うよりも、それが出てきた背景と「順序」指導が関連あるように思うのです。
     つまり、「日本の子どもたちは計算は得意だが、考える力が不十分」ということで、「答えだけでなくそこに至る過程も大事」、これが「答えだけでなく、過程も教師が教えたとおりにやらないと駄目」というように全く逆のことになってしまったのではないかと言うことです。
     http://8254.teacup.com/kakezannojunjo/bbs/t22/
     ブロック操作で式の意味を理解しているかどうかを判断する指導。「考え方重視」とは逆に、教師の思惑を推測してその通りに手を動かす訓練になってしまっている。

  6. 積分定数 より:

    ゆとり教育は関係ないと思います。「順序」を教える教師は、
    ■本当に正しい順序があると思っている
    ■順序を指導することが教え方として優れている
    ■よく分からないが、そう教えることになっているから
    これらのいずれか、または、複数の理由からです。
    ゆとり教育というのは、教える内容の多寡の話だし、それは文科省の指導要領によって定められます。
    順序は教える内容ではなくて教え方の話です。
    文科省は順序を指導しろとも、順序でバツを付けてはいけないとも言っていません。
    90年前後に出てきて、「新学力観」と関連があるのではと推測しています。「新学力観」そのものが原因と言うよりも、それが出てきた背景と「順序」指導が関連あるように思うのです。
     つまり、「日本の子どもたちは計算は得意だが、考える力が不十分」ということで、「答えだけでなくそこに至る過程も大事」、これが「答えだけでなく、過程も教師が教えたとおりにやらないと駄目」というように全く逆のことになってしまったのではないかと言うことです。
     http://8254.teacup.com/kakezannojunjo/bbs/t22/
     ブロック操作で式の意味を理解しているかどうかを判断する指導。「考え方重視」とは逆に、教師の思惑を推測してその通りに手を動かす訓練になってしまっている。

  7. 親は体制側教師 より:

    数学じゃないですが、仕様書やストリングの中の書き方で国内と、海外業者とで
    国内は ”物x数量
    海外は 数量x”物”
    だったりしますね。
    書いている人はどちらも”不文律”当然だろ_な雰囲気。
    順序とか格式とか言う教育水準じゃダメな気がします。

  8. 親は体制側教師 より:

    数学じゃないですが、仕様書やストリングの中の書き方で国内と、海外業者とで
    国内は ”物x数量
    海外は 数量x”物”
    だったりしますね。
    書いている人はどちらも”不文律”当然だろ_な雰囲気。
    順序とか格式とか言う教育水準じゃダメな気がします。

  9. t.m より:

    「攻め×受け」に関しては、Wikipediaの「×」の項目を読むことをおすすめします。学術的にも、雄×雌で雑種を表すそうです。
    算数のかけ算については、「かけられる数とかける数の区別がある文脈」と「区別のない文脈」があります。倍率は前者、面積(より正確には、縦×横=長方形の面積)は後者です。英語文献を一部訳していますので、http://d.hatena.ne.jp/takehikom/20111013/1318452890 をご覧ください。
    この件、ゆとりとは関係ありません。ただ最近の教科書や問題集、学力調査では、それらの区別をより明確にしています。例えば○を長方形状に並べ、○の数をかけ算の式にするときには、順番は問われません。その一方で、かけられる数・かける数の意味を問う(逆に書くと間違いとなる)授業例や出題も、今年発行の書籍を含め目にすることができます。
    「値段x個数=合計価格」については要注意です。「かけ算の順序」の旗印とも言える黒木玄氏は、http://genkuroki.web.fc2.com/sansu/ にて、「数量×単価」となるレシートを掲載しています。
    これについて個人的には、「数量×単価」も「単価×数量」も多く見かけること、食料品などの数量表記では「1つ分の数量×個数」ばかりであること、そして小学校の算数・中学校の数学の学習指導要領解説では「(単価)×(個数)」が書かれている(ので、教科書や学校の中では「どちらでもいい」とはいかない)ことを確認しています。

  10. t.m より:

    「攻め×受け」に関しては、Wikipediaの「×」の項目を読むことをおすすめします。学術的にも、雄×雌で雑種を表すそうです。
    算数のかけ算については、「かけられる数とかける数の区別がある文脈」と「区別のない文脈」があります。倍率は前者、面積(より正確には、縦×横=長方形の面積)は後者です。英語文献を一部訳していますので、http://d.hatena.ne.jp/takehikom/20111013/1318452890 をご覧ください。
    この件、ゆとりとは関係ありません。ただ最近の教科書や問題集、学力調査では、それらの区別をより明確にしています。例えば○を長方形状に並べ、○の数をかけ算の式にするときには、順番は問われません。その一方で、かけられる数・かける数の意味を問う(逆に書くと間違いとなる)授業例や出題も、今年発行の書籍を含め目にすることができます。
    「値段x個数=合計価格」については要注意です。「かけ算の順序」の旗印とも言える黒木玄氏は、http://genkuroki.web.fc2.com/sansu/ にて、「数量×単価」となるレシートを掲載しています。
    これについて個人的には、「数量×単価」も「単価×数量」も多く見かけること、食料品などの数量表記では「1つ分の数量×個数」ばかりであること、そして小学校の算数・中学校の数学の学習指導要領解説では「(単価)×(個数)」が書かれている(ので、教科書や学校の中では「どちらでもいい」とはいかない)ことを確認しています。

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