日経WinPC『最新パーツでWindows 2000は使いものになる?』を斬る

日経WinPC の 『最新パーツでWindows 2000は使いものになる?:すっきり解決!パソコンの疑問』 という記事があるが、あまり深くまで踏み込んでいないために、Windows 2000が中途半端な評価になっているので、問題点を指摘してみることにしました。


1.『Core i7にIntel X58チップセットのマザーボード、SSD、GeForce 9600 GT、記録型Blu-ray Discドライブを組み合わせた。ところが、この構成だと、Windows 2000のセットアップの途中で必ず止まってしまった。BIOSの設定やパーツ構成をいろいろと変えたが問題は解決しなかった』

問題点1.まず、Windows 2000 ProでCore i7を使うと、2コアしか認識できないのでWindows 2000 Advanced Server を使わないと4コアx2スレッド分使用することはできません。Hyper Thread は最適化しない場合使用しなければ却ってスコアが上昇するので、最低でも Windows 2000 Server を使って4コア分使わないといけないでしょう。

問題点2.nLite で 最新のチップセットドライバとICH10Rのドライバを組み込まないとそもそも起動できません。

2.『ちなみに、Serial ATAをRAIDやAHCIで動かすには多少の工夫が要りそうだ。マザーボードの付属DVDやASUSTeK ComputerのWebサイトにはWindows XP用のドライバーしかなかった。RAIDやAHCIモードにしてWindows 2000をインストールしたときに、そのドライバーを読み込ませようとしたらエラーを出して途中で終了してしまった。』

Intel が推奨している SATA ドライバは5.7、検索で動作すると表示されるのは6.x、非公式で7.0まで使えます。

私が公開している、 7.6の改造版を使えば、ICH10Rでも使用可能です。

3.『ドライバーをインストールした後のデバイスマネージャ。ACPI以外はすべてインストールできた。MarvellのRAIDコントローラーもCD-ROM のドライバーでは動作しなかったが、「標準デュアル チャネル PCI IDE コントローラ」というWindowsの標準ドライバーで動作した。』

asusacp
ACPIドライバはWindows 2000用のものが存在し、ProbeII で利用されます。インストールすると代わりに『Microsoft ACPI-Compliant System』というドライバがインストールされていないと表示されることがあるが、これは無視してASUSのACPIが入ってる証拠なので無視して構いません。
ICHドライバを入れてないのだから、PCI IDE モードになるが、この場合PIO病などの不具合が出る上パフォーマンスが低下するのでおすすめしません。

4.『ACPIのドライバーが組み込まれていないためか、省電力機能も機能しなかった。システム全体の消費電力を測定をしたところ、アイドル時はWindows Vistaよりも30W程度も高い。』

ACPIドライバが入っていない理由もありますが、Windows 2000 SP4 ベースのコンピュータに 更新 ロールアップ 1 をインストールすると、 CPU 温度が異常増加するという有名なバグの解決をしていないのが原因です。
マルチコアCPUのPCを使っているWindows 2000ユーザーがこれを知らないのはあり得ませんね。
補足説明すると、レジストリで設定すれば、起動時は温度制御ができるが、スタンバイや休止から復帰するとエラーが再度起こるので、これに対応するにはフリーソフトを使う必要があります。

5.『先に述べたように問題も多く、インストールすらできないこともある。Windows 2000は「古いOSだから軽くて快適」と思うかもしれないが、デュアルコアCPUでのベンチマークテストの結果はWindows Vista SP1とほぼ同じ。』

前述のCPU温度制御を入れるとベンチマークのスコアは上昇し、マルチコア最適化すれば、VistaやXPのベンチマークを数%程度上回るスコアも出ます。
ASUSのマザーボードの場合PROBEIIなどのCPU制御アプリがインストールされている必要があるわけですが、それを入れてすらいないというのなら論外です。
まぁ、要するに『スキルやノウハウがなければ』インストールすらできないというなら正しいわけです。

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関連サイト:
最新パーツでWindows 2000は使いものになる?:すっきり解決!パソコンの疑問

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