コロナウイルスの活性期間の研究。カンボジア事例で92日の潜在期間はデマ

色々なソースを検証せずに垂れ流してるせいで、新型肺炎の潜在期間が92日あるとか、人工的なウイルスだとか、殺菌をするとウイルスが凶暴化する、ナノバブル化した食塩水で死滅できる、中国では既にPCR信頼せずAIで判定しているなどのいい加減なデマを流してる Youtube のチャンネルを見つけたのですが、気になったので、潜在期間92日のデマを辿ってみました。


カンボジア症例で92日間とかいうデマがあったのでこれがヒントですね。

『月刊中国』主幹で中国から帰化した鳴霞氏による『最大91日間コロナウイルスが生存』が元のソースのようですね

動画の話を聞いていると『先週、カンボジア首相が船から降りた人と握手して感染しました。このウイルス90日間潜伏期間があるんです。アメリカのなんていう学者かわかりませんが。1日から92日ウイルスが生存できるという発表がありました。ということはそれだけ潜伏期間があるということ』という無茶な理論展開をしているのでデマですね。

まず、
・カンボジア首相が2月14日に感染者と濃厚接触して感染して、2月21日にシンガポールに入院している。

という話ですが、先日元気にゴルフしてましたし、入院中の画像というのがどうも3年前の入院画像のようです。

いやぁ、もうデマがごちゃまぜになってる時点で信憑性がグッと下がりましたねw

2月21日の動画発表なので、その前に出た論文のニュースを探してみました。

2月15日のニュースです。
Coronaviruses: How long can they survive on surfaces?

ヒトコロナウイルスは、室温で最大9日間、無生物の表面に感染能力を持ったまま存在し続けることがあります。
30°C以上の温度では、持続時間が短くなります。獣医コロナウイルスは28日間持続することが示されています

多分これですね。
なんで 9日間が90日になったのかはわかりません。
2月に、発表された論文に、90日前後のウイルスの生存について書かれたものはないようです。口頭での言及ですから、うろ覚えの知識なのではないかと思います。

大紀元といい、中国を外国から批判する団体って、なんかちょっとおかしいですね。

Persistence of coronaviruses on inanimate surfaces and their inactivation with biocidal agents - Journal of Hospital Infection

新型コロナウイルス(2019-nCoV)は、飛沫感染および接触感染(汚染された手指や汚 染物品の表面を介した感染)により伝播される。そこで我々は、無生物表面におけるヒトおよび ヒト以外の動物に感染するコロナウイルスの生存期間に関する入手可能な情報を網羅的に収集し、 医療機関における消毒薬による不活化方策に関する文献をレビューした。 22 件の研究を分析した結果、SARS-CoV、MERS-CoV、および一般的な風邪の流行原因となる ヒトコロナウイルス(HCoV)などのコロナウイルスは、金属、ガラス、プラスチックなどの無生物の表面で最大 9 日間生存できることが明らかとなった。(30℃以上の環境では、生存期間がも っと短くなる。) ただし、62~71%のエタノール、0.5%の過酸化水素、または 0.1%の次亜塩素酸ナトリウムを 使用した表面消毒により、1 分以内に効率的に不活性化される。(2019-nCoV に対しても同様の効 果が期待される。)塩化ベンザルコニウムやグルコン酸クロルヘキシジンのような消毒薬は、効果 が劣る。

論文に書かれているのは
豚伝染性胃腸炎ウイルス(TGEV)
マウス肝炎ウイルス(MHV)
ですが、4度で28日以上、20度で6~28日生存するということが書かれています。

このニュースが国内に最初に入ってきたのは2/12です。

・カンボジア事例自体がデマ
・コロナウイルスの生存期間は90日ではなく9日であることが判明。
・潜伏期間と生存期間をごっちゃにしている。

おすすめ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です