【誤報】スラドが、 地球の自転が加速して史上初の1秒引く「負のうるう秒」を検討中というフェイクニュースを流してしまった件

 インターネット地球の自転が加速。史上初の1秒引く「負のうるう秒」検討中

現在、逆うるう秒導入が検討されているそうだ。地球は最近は高速に回転しており、これにより1日も24時間よりも約0.5秒短い状態になっているという。とくに2020年7月19日は24時間にあたる8万6400秒から1.4602ミリ秒も短い1日だったそうだ。これは1960年代から始まった観測記録の中では最短記録とのこと(ナゾロジー、ガラパイア、Hindustan Times、Meteored)。通常は地球の自転1周が基準となる天文時と原子時計に基づく正確な時刻とのズレを調整する場合、これまでは地球の自転が遅くなる傾向があったことから、1日を1秒だけ長くする「うるう秒」が挿入されてきた。しかし今回の場合は、マイナス1秒短くなる「逆うるう秒」の導入が検討されているようだ。

こんなニュースが流れていたので調べてみた所、フェイクニュースでした

Earth is whipping around quicker than it has in a half-century | Space

Time and Dateによると、地球の自転の最近の加速があったので、科学者は初めて負のうるう秒について言及しました。1秒を加算する代わりに、1を減算する必要がある場合があります。これは、1日の平均の長さが86,400秒であるためですが、2021年の天文学的な日は、平均で0.05ミリ秒短くなります。年間を通じて、原子時計で最大19ミリ秒の遅れが発生します。

英国の国立物理学研究所の物理学者ピーター・ウィバリー氏はテレグラフに、「地球の自転速度がさらに上昇した場合、負のうるう秒が必要になる可能性は十分にあるが、これが起こりそうかどうかを言うのは時期尚早だ」と語った。「うるう秒の将来について国際的な議論が行われています。また、うるう秒がマイナスになる必要があるため、うるう秒を永久に終了するという決定が下される可能性もあります。」

検討中でも何でもなかった!

図で分かりやすく説明してみます(上図は原子時計の標準時からの遅延、下図は1日の平均の長さです)

daytime

2020年前半までは地球の自転が遅くなっていたので 標準時からの遅延の累積が0.26秒になりました。
(0.4秒遅延が発生するとうるう秒が挿入されます)

daytime2

ところが6月辺りから、1日の長さが24時間未満になり、6月21日にはこれまでの地球記録を塗り替える一日の長さが 23時間59分59.99889秒を記録
7月19日には一日の長さが 23時間59分59.99854秒を記録しました。
最終的に、2020年の一日の長さの遅延の累積はほぼ相殺されて 1.28ミリ秒でした

今年は 2021年7月10日に 一日の長さが 23時間59分59.99827秒を記録し、標準時間からの遅れが -35.36ミリ秒短縮され、140ミリ秒ほどになります

現状で標準時からの遅延時間が 約180ミリ秒あるので、仮に毎年40ミリ秒ずつ1年の長さが短くなったとしても、負のうるう秒(英語で Negative Leap Second)が 必要な 400ミリ秒が必要になるまでに580ミリ秒、つまり、15年近くかかる計算になります。
しかし、2021年の8月ごろから、また時点が遅くなる傾向が上のグラフからうかがえますから
将来、本当に「負のうるう秒」が必要になるかというと非常に疑わしいわけです。

そんなわけで、システムエンジニアの皆さん、心配いりません!

Shorter Days as Earth's Rotation Speeds Up
How Long Is a Day on Earth?

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2件のフィードバック

  1. ななし より:

    まとめ系のブログにも出回ってますね。

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