原発事故線量計算プログラムオンラインマニュアルv0.72用
1.補助入力について
1.1 半減期補助入力
1.2 日付補助入力
2.計算モードについて
2.1 減衰なしモード
2.2 2点間補完モード
2.3 指定半減期モード
2.4 核種指定モード
2.5 2点核種混合モード
2.6 食品による内部被曝
1.補助入力について
1.1 半減期補助入力
半減期のエディットボックスをダブルクリックすると、半減期リファレンスダイアログを呼び出すことができます。
半減期の一覧から物質を選択することができます。
1.2 日付補助入力
日時設定をクリックすると、日付設定ダイアログを呼び出すことができます。
何日前かわからない場合に使うと便利です。
2.計算モードについて
2.1 減衰なしモード
橙色は必須項目で、緑はオプションです。
このモードでは減衰なしの総線量を計算します。滞在期間を設定すると、決まった期日までの累計放射線を計算できます。
2.2 2点間補完モード
2点補完では単一の放射線物質を仮定し、仮想的に半減期を計算するモードです。ある2つの時間での放射線強度が入力で必要になります。
2.3 指定半減期モード
半減期が分かっている物質の放射線総量を計算します。
1日分の放射線強度の入力が必要です。
2.4 核種指定モード
2つの核種が分かっている場合に、その半減期と混合比を入力すると、放射線総量が分かるモードです。1日分の放射線強度の入力が必要です。
2.5 2点核種混合モード
半減期が分かってる2つの核種の混合比率を異なる2日の放射線量から計算で割り出します。両方の半減期と2日分の放射線量の入力が必要です。
2.6 食品による内部被曝
ヨウ素・セシウム・プルトニウムについて内部被ばくでの影響を計算します。
2.1~2.5の大気放射線と合算して計算することもできますが、単独で計算する場合は、自然放射線と日時指定での放射線を0にした方が分かりやすいかもしれません。
入力が終わったら、線量計算ボタンを押します。
3. 結果の見方
右側のグラフにカーソルを合わせると、水色部分の数値が変動し、x日目の放射線強度や割合が表示されます。
グラフの赤、緑、紫、青がそれぞれ項目に対応しています。
黄色は無視できる値になった境界日です。
総量の2カラム目の%は初日に比べて放射線強度が何%になったかを表しています。
緑が放射線総量の計算。
黄色の部分は発がんリスクの評価になります。
発がんリスクはICRP2007年の勧告による値を使用して自然放射線によるものを減算して計算しています。
年齢を入れると
15歳以上は 4.1x10-5 、それ未満は1.2x10-4 で余命計算を含めて計算します。
上の発がんリスクは ICRP2007によるもの。下の最大値は、別の資料で短期間の高い放射線によってリスクが少し上昇することを綱領に入れたやや厳しい値を使用しています。右は、実際の原発事故での値を元に計算しています。
男女による差は内部被ばくでの食事の摂取量に反映しています。(男性は1日水2リットル/女性は1.5リットルで計算)
なお、子供は体重比で変わらないため、そのままの値を使用しています。
臨床で発がん率に有意差が出るのは年間8mSVと言うものがあったので、個人的には、年間5mSV未満が望ましい値だと思っています。日本人は他の先進国平均に比べ医療放射線を1.8倍受けているため、発がん率が2.3%高いと言われています。ですから、X線撮影程度の被曝量が安全と言うことは決してないと考えています。
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